ネイチャーポジティブとは?意味や企業に求められる取り組みをわかりやすく解説
近年、企業のサステナビリティ経営において「ネイチャーポジティブ」という言葉への注目が急速に高まっています。
これまで企業の環境対応といえば、脱炭素やカーボンニュートラルへの取り組みが中心でした。しかし近年では、気候変動と並ぶ重要な環境課題として「生物多様性の損失」が世界的な問題となっています。
生態系の破壊や森林減少、水資源の枯渇などが進む中、企業活動も自然環境に大きな影響を与えていることが明らかになっています。そのため企業には、自然環境への悪影響を抑えるだけでなく、自然を回復・再生させる取り組みが求められるようになりました。
こうした考え方を示すのがネイチャーポジティブです。
本記事では、ネイチャーポジティブの意味や注目される背景、ネイチャーポジティブ宣言の概要、サステナビリティとの関係、企業に求められる具体的な取り組みについてわかりやすく解説します。
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1. ネイチャーポジティブとは
1-1. ネイチャーポジティブの意味
ネイチャーポジティブ(Nature Positive)とは、「自然再興」とも呼ばれる考え方で、生物多様性の損失を止めるだけでなく、自然環境を回復・向上させることを目指す概念です。
これまでの環境保全は、自然への悪影響を減らすことが中心でした。しかしネイチャーポジティブでは、自然環境に対するマイナスの影響を最小化するとともに、積極的に自然を再生し、プラスの状態へ転換することを目指します。
例えば、
- 森林の保全や植林活動
- 湿地や河川の再生
- 持続可能な農業の推進
- 海洋生態系の保護
などの取り組みが代表例です。
単なる環境負荷の削減ではなく、「自然を豊かにする」という点がネイチャーポジティブの大きな特徴です。
1-2. ネイチャーポジティブが注目される背景
世界では現在、生物多様性の損失が深刻な問題となっています。
森林伐採や都市開発、気候変動などにより、多くの動植物が絶滅の危機に瀕しています。自然環境の劣化は食料供給や水資源、防災機能にも影響を及ぼしており、人類社会そのものの持続可能性を脅かしています。
企業活動も自然資本に大きく依存しています。
例えば、
- 食品業界は農地や水資源
- 製造業は鉱物資源や森林資源
- 観光業は自然景観
などに依存しています。
自然環境が失われれば、企業活動そのものが成り立たなくなる可能性があります。そのため、生物多様性の保全は企業経営上の重要課題として認識されるようになっています。
1-3. ネイチャーポジティブの国際的な目標
ネイチャーポジティブは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、その後回復軌道に乗せることを目標としています。
2022年に採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」では、2030年までの具体的な世界目標が示されました。
その中には、
- 陸域・海域の30%を保全する「30by30」
- 生態系の回復
- 企業による自然関連情報開示
などが含まれています。
今後、企業は気候変動対策だけでなく、生物多様性への対応も求められる時代になっていくでしょう。
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2. ネイチャーポジティブ宣言とは
2-1. ネイチャーポジティブ宣言の概要
ネイチャーポジティブ宣言とは、企業や自治体、団体などが自然環境の保全と回復に積極的に取り組むことを表明する宣言です。
世界各国の企業や機関が、生物多様性の損失を止めるだけでなく、自然を再生することを目標としてコミットメントを表明しています。
近年は日本国内でも、企業や自治体によるネイチャーポジティブ宣言が増加しています。
2-2. ネイチャーポジティブ宣言が求められる理由
企業がネイチャーポジティブ宣言を行う背景には、さまざまな要因があります。
まず挙げられるのが投資家からの期待です。
ESG投資の拡大により、投資家は企業の生物多様性への取り組みを重視するようになっています。
また、サプライチェーン全体で環境配慮を求める動きも強まっています。
大企業が取引先に対して環境情報の開示を求めるケースも増えており、ネイチャーポジティブへの対応は競争力維持の観点からも重要になっています。
2-3. 宣言に参加するメリット
ネイチャーポジティブ宣言には次のようなメリットがあります。
- 企業価値向上
- ESG評価の向上
- 投資家からの信頼獲得
- ブランド価値向上
- リスク管理強化
- 優秀な人材確保
生物多様性への取り組みは、環境対策であると同時に経営戦略の一環としても重要性を増しています。
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3. ネイチャーポジティブとサステナビリティの関係
3-1. 生物多様性はサステナビリティの基盤
サステナビリティとは、将来世代のニーズを損なうことなく現在のニーズを満たす考え方です。
そしてその基盤となるのが自然資本です。
森林、海洋、水、土壌、生態系などが健全に機能することで、人々の生活や経済活動が支えられています。
そのため、生物多様性の保全はサステナビリティ実現の前提条件といえます。
3-2. SDGsとの関係
ネイチャーポジティブはSDGsとも深く関係しています。
特に以下の目標との関連が強いとされています。
- 目標6「安全な水とトイレを世界中に」
- 目標12「つくる責任 つかう責任」
- 目標13「気候変動に具体的な対策を」
- 目標14「海の豊かさを守ろう」
- 目標15「陸の豊かさも守ろう」
企業がネイチャーポジティブに取り組むことは、SDGs達成への貢献にもつながります。
3-3. 気候変動対策との関係
ネイチャーポジティブとカーボンニュートラルは密接に関係しています。
森林や湿地などの自然生態系は大量のCO₂を吸収・固定する機能を持っています。
そのため、
- 森林保全
- 植林活動
- マングローブ再生
などは、生物多様性保全と気候変動対策を同時に実現できます。
近年ではこうした取り組みを「Nature-based Solutions(自然を活用した解決策)」として推進する動きも広がっています。
3-4. ESG経営との関係
ESG経営においても、生物多様性は重要なテーマとなっています。
特にEnvironment(環境)の分野では、
- 脱炭素
- 循環経済
- 生物多様性
が主要テーマとして位置付けられています。
投資家は企業の自然関連リスクへの対応状況を重視しており、ネイチャーポジティブへの取り組みは企業価値向上にもつながります。
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4. なぜ企業にネイチャーポジティブへの対応が求められているのか
4-1. 自然資本への依存リスク
多くの企業は自然資本に依存しています。
自然環境が損なわれることで、
- 原材料調達コストの増加
- 水不足による生産停止
- 災害リスク増加
などが発生する可能性があります。
ネイチャーポジティブへの対応は、こうしたリスクを軽減するためにも重要です。
4-2. TNFDへの対応
近年、企業に対する自然関連情報の開示要請が強まっています。
その代表例がTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)です。
TNFDは企業に対し、
- 自然への依存
- 自然への影響
- リスクと機会
を評価・開示することを求めています。
今後は気候関連財務情報開示(TCFD)と同様に、自然関連情報の開示がスタンダードになる可能性があります。
4-3. 投資家・消費者からの期待
ESG投資市場は拡大を続けています。
投資家は企業の環境対応を重要な評価項目としており、生物多様性への取り組みも投資判断に影響を与えています。
また消費者も環境配慮型の商品やサービスを選ぶ傾向が強まっています。
企業にとってネイチャーポジティブへの対応は、競争力維持のためにも欠かせない取り組みになっています。
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5. 企業が取り組むべきネイチャーポジティブ施策
①自社の自然関連リスクを把握する
まず重要なのは、自社事業と自然との関係を把握することです。
具体的には、
- バリューチェーン分析
- 自然資本への依存評価
- 生物多様性への影響評価
などを実施します。
②生物多様性方針を策定する
経営レベルで生物多様性方針を策定し、事業戦略に組み込むことが重要です。
その際には、
- 中長期目標
- KPI設定
- ガバナンス体制
を明確にする必要があります。
③サプライチェーン全体で取り組む
生物多様性への影響は自社だけでなくサプライチェーン全体に及びます。
そのため、
- 持続可能な原材料調達
- 森林破壊防止
- サプライヤー評価
などの取り組みが求められます。
④情報開示を進める
投資家や取引先への説明責任を果たすためにも情報開示は重要です。
統合報告書やサステナビリティレポートを通じて、自社の取り組みを積極的に発信することが求められます。
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6. ネイチャーポジティブ推進における企業の課題
ネイチャーポジティブを推進する上では、いくつかの課題があります。
まず、生物多様性に関するデータ収集が難しいことです。
気候変動と比較すると評価指標が複雑であり、定量化が容易ではありません。
また、自然資本の評価手法も発展途上であり、多くの企業が取り組み方に悩んでいます。
さらに、社内理解の不足や専門人材の不足も課題となっています。
そのため、専門家の支援を受けながら進める企業も増えています。
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7. ネイチャーポジティブへの対応は専門家の支援活用が重要
7-1. 企業単独での推進が難しい理由
ネイチャーポジティブへの対応には、
- 生物多様性に関する専門知識
- TNFDへの理解
- 情報開示ノウハウ
- 国際動向の把握
などが必要です。
そのため、企業単独で進めるには大きな負担が伴います。
7-2. サステナビリティコンサルティングを活用するメリット
専門コンサルタントを活用することで、
などを効率的に進めることができます。
また、最新の制度動向や投資家ニーズを踏まえた実践的なアドバイスを受けることも可能です。
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8. サステナビリティ推進ならLOCAL STARへ
ネイチャーポジティブや生物多様性をはじめとした環境およびサステナビリティ対応では、単なる情報収集だけでなく、自社に適した戦略設計や実行支援が重要です。
特に現在は、ESG投資拡大や情報開示強化により、企業には高度な対応が求められています。
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9. まとめ
ネイチャーポジティブとは、生物多様性の損失を止めるだけでなく、自然を回復・再生させることを目指す国際的な考え方です。
気候変動と並ぶ重要な環境課題として注目されており、企業にも対応が求められています。
また、ネイチャーポジティブ宣言への参加やTNFDへの対応は、今後の企業価値向上や競争力強化にも大きく関わってきます。
サステナビリティ経営を推進する上で、生物多様性への取り組みは避けて通れないテーマとなっています。
企業は自然関連リスクを把握し、戦略的な取り組みを進めることで、持続可能な社会の実現と企業成長の両立を目指していくことが重要です。
次のステップとしては、LOCAL STARのサステナビリティ支援サービスを活用し、自社に最適な形でネイチャーポジティブや生物多様性をはじめとした環境対応およびサステナビリティに取り組むことを強くおススメします。
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