国際統合フレームワークとは?統合報告書やサステナビリティとの関係をわかりやすく解説
近年、多くの企業が「統合報告書」を発行するようになっています。
その背景には、ESG投資の拡大やサステナビリティ経営への注目、そして企業価値に対する考え方の変化があります。
こうした中で重要視されているのが「国際統合フレームワーク(International Integrated Reporting Framework)」です。
一方で、
- 国際統合フレームワークとは何かよくわからない
- 統合報告書との関係が知りたい
- サステナビリティ開示とどうつながるのか理解したい
- ISSBやIFRSとの違いがわからない
という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、国際統合フレームワークの基本から、統合報告書との関係、サステナビリティとのつながり、日本企業への影響までわかりやすく解説します。
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1. 国際統合フレームワークとは?
国際統合フレームワークとは、企業が財務情報と非財務情報を統合して、長期的な企業価値創造を説明するための国際的な枠組みです。
英語では「International Integrated Reporting Framework」と呼ばれ、統合報告書を作成する際の考え方や原則を示しています。
従来の企業開示では、売上や利益などの財務情報が中心でした。しかし現在では、それだけでは企業価値を十分に説明できなくなっています。
例えば、以下のような要素は企業価値へ大きな影響を与えます。
- 気候変動への対応
- 人権配慮
- 人的資本
- ガバナンス
- 技術力
- ブランド価値
- サプライチェーン管理
こうした非財務情報を含めて企業価値を説明するために生まれたのが、国際統合フレームワークです。
つまり、企業が「どのように価値を創造しているのか」を総合的に説明するためのフレームワークと言えます。
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2. なぜ国際統合フレームワークが注目されているのか
①財務情報だけでは企業価値を説明できなくなった
現在の企業価値は、工場や設備などの有形資産だけでなく、無形資産によって大きく左右されています。
例えば、
- 優秀な人材
- 技術・知的財産
- ブランド
- 顧客との信頼関係
- サステナビリティ戦略
などです。
特にIT企業やサービス企業では、財務諸表だけでは企業の本当の価値が見えにくくなっています。
そこで投資家は、非財務情報を重視するようになりました。
②ESG投資の拡大
近年、ESG投資が世界的に拡大しています。
ESGとは以下の3つを指します。
- Environment(環境)
- Social(社会)
- Governance(ガバナンス)
投資家は、単に利益を出している企業ではなく、
- 気候変動へ適切に対応しているか
- 人権リスクを管理しているか
- ガバナンス体制が健全か
- 長期的に成長できるか
を重視しています。
そのため、企業には財務情報だけでなく、ESGやサステナビリティに関する情報開示が求められるようになりました。
③サステナビリティ経営が重要になっている
現在、多くの企業がサステナビリティ経営を推進しています。
具体的には、
- 脱炭素
- 人権デューデリジェンス
- SDGs
- 人的資本経営
- サプライチェーン管理
などへの対応が求められています。
国際統合フレームワークは、こうしたサステナビリティの取り組みを「企業価値創造」と結びつけて説明するために重要な役割を果たしています。
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3. 国際統合フレームワークを策定した組織とは?
国際統合フレームワークは、国際統合報告評議会(IIRC)によって策定されました。
IIRCは、投資家、企業、会計専門家、規制当局などが参加して設立された国際組織です。
その後、IIRCはValue Reporting Foundationへ統合され、現在はさらにIFRS財団へ統合されています。
つまり現在、統合報告の考え方はIFRS財団の枠組みの中で位置づけられています。
これは非常に重要なポイントです。
なぜなら、現在グローバルではISSB(国際サステナビリティ基準審議会)によるサステナビリティ開示基準が進んでおり、統合報告の考え方とも密接につながっているためです。
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4. 統合報告書とは?
4-1. 統合報告書の概要
統合報告書とは、財務情報と非財務情報を統合して企業価値を説明するレポートです。
従来の有価証券報告書では主に財務情報が中心でした。
一方、統合報告書では、
- 経営戦略
- ESG
- サステナビリティ
- 人的資本
- リスク
- ガバナンス
- 中長期の価値創造
などを含めて説明します。
つまり、「この会社は将来にわたってどのように価値を生み出すのか」を示す資料です。
4-2. サステナビリティレポートとの違い
統合報告書とサステナビリティレポートは混同されやすいですが、目的が異なります。
サステナビリティレポート
- CSR活動やESG活動を説明
- 環境・社会への取り組み中心
- 活動報告の意味合いが強い
統合報告書
- 企業価値創造を説明
- 財務と非財務を統合
- 経営戦略とのつながりを重視
つまり、統合報告書では「サステナビリティが企業価値向上にどう貢献するか」を示すことが重要になります。
4-3. 国際統合フレームワークの7つの指導原則
国際統合フレームワークでは、統合報告書作成における7つの指導原則が示されています。
①戦略的焦点と将来志向
企業の中長期戦略や将来の方向性を明確に示すことが求められます。
単なる過去実績の報告ではなく、「今後どう成長するのか」を説明することが重要です。
②情報の結合性
財務情報と非財務情報をバラバラに記載するのではなく、相互関係を示す必要があります。
例えば、
- 気候変動リスクが財務へどう影響するか
- 人的資本投資が成長へどうつながるか
を説明します。
③ステークホルダーとの関係性
投資家だけでなく、
- 従業員
- 取引先
- 地域社会
- 顧客
などとの関係性を重視します。
④マテリアリティ
企業価値へ重要な影響を与える課題を特定することが重要です。
例えば、
- 脱炭素
- 人権
- 人材不足
- サプライチェーン
など、企業ごとに重要課題は異なります。
⑤簡潔性
情報を詰め込みすぎず、重要な内容を簡潔に伝えることが求められます。
⑥信頼性と完全性
ポジティブな情報だけでなく、課題やリスクも含めて開示することが重要です。
⑦一貫性と比較可能性
毎年同じ指標で開示することで、投資家が比較しやすくなります。
4-4. 国際統合フレームワークの「6つの資本」とは?
国際統合フレームワークでは、企業価値を生み出す要素として「6つの資本」が示されています。
①財務資本
資金調達力や利益などの財務基盤です。
②製造資本
工場、設備、インフラなどの物理的資産を指します。
③知的資本
技術、ノウハウ、特許、ブランドなどです。
④人的資本
従業員の能力、経験、多様性などです。
現在、人的資本開示が重要視されている背景にもつながっています。
⑤社会・関係資本
顧客、地域社会、取引先との信頼関係です。
⑥自然資本
水、森林、気候など自然環境に関する資本です。
近年ではTNFDや気候変動開示との関係で特に重要性が高まっています。
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5. サステナビリティと国際統合フレームワークの関係
5-1. ESG経営を説明するための基盤
現在、多くの企業がESG経営を推進しています。
しかし、単に取り組みを実施するだけでは不十分です。
投資家やステークホルダーに対して、
- なぜ取り組むのか
- どのような成果があるのか
- 企業価値へどうつながるのか
を説明する必要があります。
その際に活用されるのが国際統合フレームワークです。
5-2. 非財務情報開示の高度化
現在、企業にはさまざまな非財務情報開示が求められています。
例えば、
- TCFD
- TNFD
- ISSB
- 人的資本開示
- 人権開示
などです。
国際統合フレームワークは、これらの情報を単独で示すのではなく、「企業価値創造ストーリー」として統合する役割を持っています。
5-3. SDGsとの関係
SDGsへ取り組む企業も増えています。
しかし、単なる社会貢献活動としてSDGsへ取り組むだけでは、投資家から十分に評価されない場合があります。
重要なのは、
- SDGsへの取り組みが
- どのように企業価値向上へつながるか
を示すことです。
統合報告書では、この点を説明しやすくなります。
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6. 日本企業における統合報告書の動向
日本企業でも統合報告書を発行する企業が増加しています。
特にプライム市場上場企業では、統合報告書が一般的になりつつあります。
背景には、
- 海外投資家対応
- ESG評価向上
- ISSB対応
- 人的資本開示強化
などがあります。
現在では、単なるCSRレポートではなく、「企業価値創造を説明する資料」として統合報告書を重視する企業が増えています。
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7. 統合報告書作成でよくある課題
統合報告書の重要性は高まっていますが、実務上の課題も多くあります。
①何を書けばよいかわからない
初めて作成する場合、
- どこまで開示すべきか
- 何が重要情報なのか
がわからないケースが多くあります。
②ESG情報が整理されていない
部署ごとに情報が分散し、
- 環境
- 人事
- 調達
- 経営企画
などで連携できていないケースも少なくありません。
③ストーリー性が不足する
単なる活動紹介になってしまい、
「企業価値創造とのつながり」が弱くなることがあります。
④最新基準への対応が難しい
現在は、
- ISSB
- TCFD
- TNFD
- 人的資本開示
など、開示要件が急速に変化しています。
そのため専門知識が必要になります。
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8. 統合報告書をコンサルティング会社へ依頼するメリット
統合報告書は、単なる制作物ではありません。
企業価値を投資家へ伝える重要なコミュニケーションツールです。
そのため、専門的な支援を受ける企業も増えています。
①投資家視点で整理できる
投資家が知りたい情報を整理し、伝わりやすく構成できます。
②ESG・ISSB対応を進められる
最新のサステナビリティ開示動向を踏まえて対応できます。
③経営戦略とサステナビリティを統合できる
サステナビリティ活動を単独で示すのではなく、経営戦略と結びつけて説明できます。
④開示品質を向上できる
マテリアリティ、KPI、ストーリー設計などを高度化できます。
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9. サステナビリティ開示や統合報告書に課題がある場合は専門支援の活用も重要
統合報告書やサステナビリティ開示は、年々高度化しています。
特に現在は、
- ISSB対応
- ESG評価機関対応
- 人的資本開示
- 気候変動開示
など、企業に求められる内容が急速に増えています。
そのため、
- 何から始めればよいかわからない
- 投資家に伝わる開示をしたい
- 統合報告書を改善したい
- ESG評価を高めたい
という場合は、専門家の支援を活用することも有効です。
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10. まとめ|国際統合フレームワークは企業価値を伝える重要な考え方
国際統合フレームワークは、財務情報と非財務情報を統合して、企業価値創造を説明するための国際的な枠組みです。
現在では、
- ESG投資拡大
- サステナビリティ経営
- ISSB対応
- 人的資本開示
などの流れを受け、その重要性はますます高まっています。
また、統合報告書は単なる情報開示ではなく、「企業の将来性を伝える重要な経営ツール」となっています。
今後は、サステナビリティと経営戦略を統合しながら、投資家やステークホルダーへわかりやすく説明できる企業が、より高く評価される時代になるでしょう。
次のステップとしては、LOCAL STARのサステナビリティ支援サービスを活用し、自社に最適な形でサステナビリティに取り組むことを強くおススメします。
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