GSアライアンスが、植物、バイオマス由来の生分解性樹脂製農業用マルチフィルムを開発
GSアライアンス株式会社(代表取締役:森良平、本社:兵庫県川西市)は、植物、バイオマス由来の生分解性樹脂製農業用マルチフィルムを開発しました。同社のインターネットの販売サイトなどで5月11日から販売予定です。
▼BIO-SAKURA SHOP
https://www.nano-sakura-shop.com/

植物、バイオマス由来の生分解樹脂製農業用マルチフィルム
人口爆発に伴う地球温暖化、環境汚染や森林破壊などの環境問題は深刻な問題であり、プラスチック汚染も生態系を破壊する壊滅的なレベルになりつつあります。既に我々人体の中に、大気中からマイクロプラスチック、ナノプラスチックが入りつつあり、健康への悪影響が懸念されています。ナノプラスチックとは、環境中に放置されたプラスチックが自然に分解して形成されたプラスチックの微小粒子のことを指します。これらのプラスチックの多くは、食料からの摂取、呼吸によって私たちの体内に入ります。
最近は、これらのナノプラスチックが原因で、心臓発作や脳卒中、うつ病のリスクを高めたり、消化器系の炎症反応を起こしたり、免疫反応にも悪影響を及ぼす可能性も指摘されています(添付図:ナノプラスチック汚染の健康へのリスク)。

ナノプラスチックなどのプラスチック汚染の健康被害
一方で、生分解性プラスチックは、使用・廃棄後、生分解され、土などの自然環境中に戻る材料であり、このようなプラスチック汚染問題を解決できる可能性のある1つの手段です。どの生分解性プラスチックがコンポスト条件、土、淡水、海水中、及び、人の体内中で生分解するかなど、より厳密に試験していく必要はありますが、医療用に使用されている乳酸系、ラクトン系の生分解性などは、人体に既に使用されている生分解性プラスチックの類です。生分解性プラスチックが植物から作られている場合は、植物は大気中からCO2を呼吸するのでCO2が循環されている状態であり、CO2の排出量が石油由来のプラスチックよりは少ないカーボンニュートラルの材料と言えることもできます。
GSアライアンスは、これまで脱炭素、カーボンニュートラル、持続可能な社会構築のため環境、エネルギー分野の最先端技術を研究開発してきました。世の中の石油から作られる材料、製品を全て植物、バイオマス由来のものに置き換えるという目標のもと、種々の植物、バイオマス、廃木材などの有機廃棄物由来の生分解性樹脂、生分解性プラスチック、コーティング剤、塗料、接着剤などを開発してきました。イラン、中東情勢が不安定になってきている最近の世界状況の中では、このように石油を出来るだけ使用しない植物、天然バイオマス由来の製品群を作る、使用することは非常に重要です。
そして、この開発概念は、同社の代表取締役である森 良平博士(工学)が執筆した学術論文にまとめられており、「RSC Sustainability(英国王立化学会)」の表紙にも採択されました。
▼論文掲載ページ
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2023/su/d2su00014h
このような開発概念に基づき、この度、同社の田中 大貴研究員と森 良平博士(工学)は、植物バイオマス由来の生分解性樹脂製の農業用マルチフィルムを開発しました。植物バイオマス度は約82%です。生分解性農業用マルチフィルムは他社からも最近は市販されているものの、8割以上が植物バイオマス由来の農業用マルチフィルムはあまり他に例がありません。開発した農業用マルチフィルムは大きく2種類あり、PBAT(polybutylene adipate co terephthalate)、PBS(polybutylene succinate)、PLA(poly lactic acid)を主な成分とした製品(植物バイオマス度約10 – 15%)と、バイオマスPE(polyethylene)を主な成分とした製品(植物バイオマス度約82%)です。特にバイオマスPEは、通常の環境では生分解しませんが、最適な添加剤などにより生分解させることに成功しました。

植物、バイオマス由来の生分解樹脂製農業用マルチフィルム2
農業用マルチフィルムは、そもそも農地、畑において雑草を防止し、土地を適温、適湿に保ち、作物の育成を早める効果があります。これまでの石油由来の農業用マルチフィルムは作物を収穫後も分解されないので、上述したようにナノプラスチックなどのプラスチック汚染の原因となるので、農家が回収する必要があり、労働負担となっていました。それに対し本製品は生分解性なので、収穫後にフィルムを回収する必要が無いので作業が省力化できることが大きな利点です。仮に機械で収穫する場合でも、機械にマルチフィルムが巻き付かず、収穫できます。
ところで生分解する目安は2~6ヶ月ですが、生分解の速度は地域、土壌中の微生物の活性、季節、気温、湿度などの条件により異なるので、条件によっては1ヶ月以内でも生分解が始まる可能性もあるので、少し注意が必要です。長さ200m、厚さ0.02mm、幅95cmの1種類ですが、今後異なる長さ、幅などの製品の種類も増やしていく予定です。
■会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社(冨士色素株式会社グループ)
代表者 : 代表取締役 森 良平博士(工学)
本社所在地: 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容 : カーボンニュートラル、脱炭素課題に取り組む環境、
エネルギー分野の最先端技術の研究開発。
UNIDO、WIPO GREENなど各種国連機関の支援を受けています。


