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「第2回中国日系企業の従業員数ランキング」を発表 ~市場競争激化による組織再編で、明暗が分かれる結果に~

「第2回中国日系企業の従業員数ランキング」を発表 ~市場競争激化による組織再編で、明暗が分かれる結果に~

法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本 太一)の連結子会社である利墨(上海)商務信息咨詢有限公司(以下「リスクモンスターチャイナ」)は、利墨リスモン調べ「第2回中国日系企業の従業員数ランキング」を発表いたしました。

「第2回中国日系企業の従業員数ランキング」を発表

「利墨リスモン調べ」は、リスクモンスターチャイナが独自に収集した中国の日系企業データベースや業界情報を基に調査・分析したレポートです。今回は、2025年4月時点で開示されていた法人登記情報において日本企業が出資する中国企業およびグループ企業27,148社を対象に、中国全土の工商年報で公開されている社会保険加入者数(2025年9月時点、以下、従業員数)を調査しました。

■TOP10の顔ぶれはおおむね安定、大幅減員を行った「日産自動車」が依然として首位をキープ
2023年12月に発表した前回調査(2023年3月時点の法人登記情報)から約2年が経過し、この間、中国では自動車製造業や電機製造業を中心に、市場競争激化による効率化や再編の流れが加速しました。その結果、業界の明暗が分かれるなど、日系企業を取り巻く事業環境は大きく変化しています。
こうした状況を踏まえ、企業の市場対応力や戦略転換を示す指標の一つである「従業員数」に着目し、中国日系企業の実態把握を目的として再調査を実施しました。

中国日系企業の親会社別に従業員数を集計した結果、トップ10に名を連ねる企業は、前回調査と大きな変化はなく、依然として自動車関連や電機機器関連を中心とした製造業が上位を占める結果となりました。(表1)
首位は「日産自動車株式会社」(現地従業員数76,956名)で前回調査から約6,500名の減員があったものの、依然としてトップの座を維持しています。
上位10社のうち、5位「株式会社日立製作所」(41,299名)、6位「住友電気工業株式会社」(35,026名)、7位「ダイキン工業株式会社」(22,075名)は前回調査以降にいずれも3,000名以上の増員が見られましたが、順位に変動はありませんでした。また、前回10位の「矢崎総業株式会社」(10,104名)は7,000名以上の大幅な減員となり、今回はトップ10圏外となっています。

表1 従業員数が多い中国日系企業ランキング1~10位

■従業員増加数ランキング:北京での事業拡大により「ゼンショーホールディングス」の現地法人がトップ10入り
前回調査と比較した従業員増加数ランキング(表2)では、「住友電気工業株式会社」の現地法人である「天門武住電装有限公司」が、新工場への移転を背景に、2,559名の増加となりました。
また、4位の「株式会社ゼンショーホールディングス」の現地法人「泉盛三餐飲管理(北京)有限公司」は、北京での事業拡大により1,130名増加し、飲食業で唯一のトップ10入りを果たしました。
そのほか、車載向けフレキシブルプリント基板(FPC)の需要増に対応する「NOK株式会社」や、BMW向けEV駆動部品を生産する「株式会社アイシン」、脱炭素に貢献するメタノール燃料船を建造する「常石造船株式会社」など、中国が積極的に推進する新エネルギー・環境対応分野に関連する企業において従業員増加の動きが見られました。

表2 中国日系企業現地法人の従業員増加数ランキング1~10位

■従業員減少数ランキング:EVシフトに対応できず「本田技研工業」の現地法人が減少数トップに
一方、従業員減少数ランキング(表3)では、「本田技研工業株式会社」の現地法人「広汽本田汽車有限公司」が3,112名減少し、最も大きな減少となりました。同社はガソリン車中心の製品構成により、中国市場で急速に進むEVシフトへの対応が遅れ、スマート化の進展も十分でなかったことから、販売台数の低迷が続いています。

4位の「佳能(中山)弁公設備有限公司」は、「キヤノン株式会社」の事務機器を生産する工場でしたが、人員削減などの対策を講じたものの、2025年11月末で生産を停止し、閉鎖を発表しました。背景には、「市場環境の急変」、「中国系ブランドの急成長」、「レーザービームプリンタ(LBP)市場の縮小」などが挙げられています。
そのほか、多くの日系企業において、市場縮小や需要減を踏まえ減員による組織再編を実行していることがうかがえます。

表3 中国日系企業現地法人の従業員減少数ランキング1~10位

■総評
今回、中国に進出する日系企業の最新動向を「従業員数」に着目して分析しました。
多くの雇用を生む自動車製造業、電機製造業、電子部品製造業では、市場競争激化を背景に、効率化や組織再編が進んでいます。同じ自動車製造業でも、EVや新エネルギー分野などの分野では増員傾向が見られる一方、ガソリン車など需要が減少している分野では、工場閉鎖を伴う人員削減が相次いでいます。これらのことから、日系企業が中国市場において、「攻め」と「守り」の両面戦略を同時に展開している実態が浮き彫りになりました。
今後、中国市場で持続的な競争力を維持するためには、環境変化に応じた柔軟な戦略転換と、成長分野への積極的な投資が鍵となるといえるでしょう。

■本調査結果の全文
中国日系企業の従業員数ランキング11~30位までの企業は、リスクモンスターチャイナの掲載サイトでご覧いただけます。
https://www2.rismon.com.cn/report2512_j/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=251222

[実施概要]
・調査名称 : 第2回中国日系企業の従業員数ランキング
・調査方法 : 中国における日系企業の法人登記情報に基づく調査
・調査対象時期 : 2025年4月時点で開示されていた法人登記情報と
2025年9月時点の工商年報情報
・調査対象企業 : 中国全土で登記されている日本企業出資の
中国企業及びそのグループ企業
(株式保有率50%以上の会社及びその会社が
支配している会社(50%)をグループ会社とする)
・調査対象企業数: 27,148社

■リスクモンスターチャイナについて
2012年9月、上海にリスモングループ初の海外拠点として設立。中国に進出する日系企業を対象に与信管理サービスを中心とした経営支援サービスを提供。また、日中両言語対応のクラウド型グループウェアや社員教育に役立つeラーニングを展開し、日系企業の経営・リスクマネジメントを管理面からサポート。2025年9月末時点で525会員の利用実績。

ホームページ:
https://www2.rismon.com.cn/jp/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=251222

■リスクモンスターの概要(東京証券取引所スタンダード市場上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPクラウドサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要として、教育関連事業(定額制の社員研修サービス「サイバックスUniv.」)やビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)、BPOサービス事業、海外事業(利墨(上海)商務信息咨詢有限公司)にサービス分野を拡大し、包括的な戦略で事業を展開しています。
リスモングループ会員数は、2025年9月末時点で14,710(内、与信管理サービス等8,072、ビジネスポータルサイト等3,034、教育事業等3,079、その他525)となっております。

【会社概要】
会社名 : リスクモンスター株式会社(英名:Riskmonster.com)
本社所在地 : 東京都中央区日本橋2丁目16番5号 RMGビル
代表取締役社長: 藤本 太一
設立 : 2000年9月
資本金 : 1,188,168,391円(2025年9月末現在)
HP : https://www.riskmonster.co.jp/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=251222

詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press